お悩み解決!カブトクえもんのデイトレ投資Blog

為替FXや株価インデックス先物や投信の個人トレーダーとして活動中。元ファンドマネジャー、今は個人投資家として活動する傍ら、皆様のお悩み相談にも乗らせて頂いております。

トレードのチャンス; 英国のBrexitの前後のヘッジファンド動向。今後、どうなるかを大胆予想(その1)

昨日、ロンドンに本社をおく、ヘッジファンドと電話会議を行い、先週末のヘッジファンドの動向取材と今後の予想の意見交換をいたしました。その要旨を以下にまとめました。

  • まず、2008年の金融危機(Great Financial Crisis)は流動性危機(De-leveraging)であったが、今回の2016年6月は政治的な要因による市場危機(Political Crisis)。 市場には積みあがったポジションはなく、その巻き戻しといった偏った需給に振り回されることはない。
  • しかし、その一方で、政治的要因は読めない部分が多い。需給関係であれば、ポジションの偏りがわかれば、その反対のポジションをとることで収益機会とすることもできる。ところが、Brexitは①プロセスに時間がかかる。保守党の党大会まで2か月、その後のEU離脱までに2年、②スコットランド北アイルランドという独立を企図する地域が行動に移す可能性、③欧州内の移動の自由を確保できるシェンゲン条約下の国に拠点を移そうとする企業に対して、英国内にとどめるための税制面等の優遇措置を提案する可能性、等々、さまざまなシナリオ出てくる余地が多いこと。
  • 市場全体のボラティリティは、開票日に比べれば、格段に落ち着いてきている。また、英国内の土地不動産などの資産価格は昨年までにピークアウトしたのちに、既に、国民投票前までに売り込まれ、他の先進国に比べて割安な状態であった。そこで、さらに、Brexiteということで、割安感が進んでおり値ごろ感からの自然な買いは入る可能性はある。
  • また、目先のリセッションを織り込む形で、ポンドが売り込まれたため、少なからず、英国内の輸出企業はポンド安の恩恵を受ける可能性がある。
  • グローバルマクロなどのヘッジファンドは、この市場の動きを捉えられていない。例えば、ロンドンを拠店とする為替/金利で勝負する著名なマクロマネージャーは、Brexit前から、投票の結果如何にかかわらず英国内の混乱を予想し、ポンド/ドルをショートしていたにも関わらず、開票直前に1.5台までポンドがラリーする局面でストップアウトさせられ、肝心な下げ局面では、まったく機能できなかった。